井戸で鳴く黄金色のにわとり14
「あんなに晴れていたのに。
なぜだ」
ふしぎに思った信忠は、水柱の
あがった大蛇ケ淵をのぞいてみま
した。
「あっ」
信忠が、大声をあげました。
「信忠さま、どうされました?」
「淵になにかいる。みなのもの、
まず淵にいるものを退治せよ。
城は、それからだ」
信忠は、兵士たちにつげました。
「えいっ」
「えいーっ」
「えいっ」
つづく
前回の分は、こちら
http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20100916#p1
初めて読んでくださったかたへ
http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20100904/#p2
「井戸で鳴く黄金色のにわとり」
は、信州の伊那谷にあった「大島
城」に伝わっている話。
その話をヒントにして、みほようこ
が書いたもの。