井戸で鳴く黄金色のにわとり


  井戸で鳴く黄金色のにわとり15


どしゃぶりの雨の中、兵士たちは
淵にむかって、何本も矢をはなち
ました。
しかし、兵士たちの矢は、淵に届
かぬうちに、なぜか雨の中にすい
こまれてしまいます。



五分後。
「ぶすっ」
淵から、にぶい音が聞こえてきま
した。
兵士たちの打った矢があたったの
でしょうか。
淵の水が、真っ赤にそまりました。



あたりが真っ暗になったかとおも
うと、
「ごろごろっ」
「ごろごろ」
雷が鳴り出しました。


             つづく



    前回の分は、こちら


http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20100917#p1



    初めて読んでくださったかたへ


http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20100904/#p2



「井戸で鳴く黄金色のにわとり」
は、信州の伊那谷にあった「大島
城」に伝わっている話。
その話をヒントにして、みほようこ
が書いたもの。