井戸で鳴く黄金色のにわとり


  井戸で鳴く黄金色のにわとり23


 次の朝。
「姫は、無事か」
「それが・・・」
「姫は、どうしたのじゃ」
「姫さまは・・・」
「はっきりいえ」



「姫さまは、井戸に身をなげた
そうです」
「何? 姫が、井戸に身をなげた
・・・と」
「はい」



「なぜだ」
「逃げている時に、おつきのもの
とはぐれてしまったようです。
そして、三河の兵士たちに、井戸
の所までおいつめられたようで」


             つづく



    前回の分は、こちら


http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20100925#p1



    初めて読んでくださったかたへ


http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20100904/#p2



「井戸で鳴く黄金色のにわとり」
は、信州の伊那谷にあった「大島
城」に伝わっている話。
その話をヒントにして、みほようこ
が書いたもの。