井戸で鳴く黄金色のにわとり


 井戸で鳴く黄金色のにわとり22


おとうさま、おかあさま。大切に
育てていただきありがとうござい
ました。
二人と過ごした日々、とても楽し
かった。
おとうさま、そしておかあさま、
ありがとうございました」
姫は、二人にお礼をいいました。



「こっこ。守ってあげられなくて、
ごめんね。
私、大好きなこっこと一緒だから、
こわくないわ」
そういうと、姫はこっこと一緒に、
井戸にとびこみました。



「ぽちゃーん」
井戸の中から、大きな音がしました。
「姫が、井戸にとびこんだぞー」
兵士が、さけびました。



うすれゆく意識の中で、姫は思いま
した。
「戦のない平和な世の中は、いつく
るのだろうか。
一日も早く平和な世の中になってほ
しい」と。


             つづく



    前回の分は、こちら


http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20100924#p1



    初めて読んでくださったかたへ


http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20100904/#p2



「井戸で鳴く黄金色のにわとり」
は、信州の伊那谷にあった「大島
城」に伝わっている話。
その話をヒントにして、みほようこ
が書いたもの。