瑠璃寺の青獅子23
だから、あきらめておった。
でも、おまえが気づいてくれた。
どんなにうれしかったことか。
仏師よ、おまえは、すばらしい仏
師じゃ。
わしは、おまえの志をついで、伊
那谷の人々を守っていこうと思う。
ほんとうにありがとう。
仏師よ、心安らかに眠っておくれ。
今度は、わしがおまえを守る番じゃ」
すると、滝つぼの水面に、男が彫っ
た獅子頭が、ぽんと浮いてきました。
青色の獅子頭でした。
和尚は、その獅子頭を持って、寺へ
帰りました。
そして、本尊へ獅子頭を供えました。
つづく
前回の分は、こちら。
http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20101026#p1
初めて読んでくださったかたへ
http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20101005#p1
「瑠璃寺の青獅子」は、信州の伊
那谷にある「瑠璃寺」に伝わって
いる話をヒントにして、みほようこ
が書いた物語。
物語の無断転載・再配布を禁止し
ます。