八岐大蛇 2
「わしは、大山津見の子で、足名椎。
妻は、手名椎。 娘は、櫛名田比売と
いいます」
「なぜ泣いているのだ」
「わしには、娘が八人いました。
でも、八岐大蛇がやってきて、毎年
一人ずつ娘を食べてしまいました。
もうすぐ八岐大蛇がやってきます。
この娘がまた八岐大蛇に食べられて
しまうのかと思うと悲しくて」
「八岐大蛇は、どんな姿をしている
のじゃ」
「それはもう恐ろしい怪物で・・・。
目は、ほおずきの実のように真っ赤。
一つの体に、頭と尾が八つ。
体には、杉やヒノキがはえていて、
その木にはこけがびっしり。
つづく
八岐大蛇 1
http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20130303#p1