古事記神話「古事記物語」


 天照大御神須佐之男命 3


そして、右手に弓を持つと、弓を
つきたて、足が埋まるほど大地を
強くふみならしました。
すると、あたり一面に、庭の土が
粉雪のように飛び散りました。



戦う準備ができた天照大御神は、
須佐之男命がやってくるのを待ち
ました。 



「弟よ。何をしにここへきたのだ」
「姉上。わしは、何もたくらんでは
いない。父が泣きわめいているわけ
を聞いたので、大好きな母の国へ行
きたいといったら、さっさと出てい
けと追いだされてしまったのじゃ。
それで、別れの挨拶をしようとやっ
てきたのだ。ただそれだけじゃ」


       つづく