古事記神話「古事記物語」


    八岐大蛇 2


中へ入ると、老夫婦が娘を囲み泣
いています。
「おまえたちは、何者じゃ」
「わしは、国津神・大山津見の子
で、足名椎(あしなづち)。妻は、
手名椎(てなづち)。娘は、櫛名
田比売(くしなだひめ)といいます」



「なぜ泣いているのだ」
「わしには、娘が八人いました。
毎年、八岐大蛇がやってきて、七人
の娘を食べてしまいました。もうす
ぐ八岐大蛇がやってきます。この娘
が、八岐大蛇に食べられてしまうか
と思うと悲しくて・・・」


         つづく