古事記神話「古事記物語」


   大国主命の試練 9


大国主命が、足元をどんとふむと、下
は大きな穴になっていました。
穴の中へ入り、身をかがめ隠れている
と、近くまで燃えてきた火が穴の上を
通り、向こうへ遠のいていきました。



大国主命がほっとしていると、さっき
のねずみが、口に矢をくわえ持ってき
ました。
羽の部分は、子ねずみたちがかじって
なくなっていましたが、本体だけは無
傷でした。



須勢理比売は、大国主命が焼け死んで
しまったと思い、嘆き悲しみました。
野原の火が消えると、とむらいの道具
を持って、大国主命のなきがらを探し
て歩きました。


         つづく