古事記神話「古事記物語」


   木花之佐久夜比売 8


次の朝。
邇邇芸命は、反乱をくりかえす国
を平定するため、遠くの国へ旅立
っていきました。
二人が一緒にすごしたのは、たっ
た一晩だけだったのです。



しばらくして、邇邇芸命が旅から
帰ってきました。
邇邇芸命さま、お帰りなさい。
私のお腹の中には、あなたのこど
もがおります。もうすぐこどもが
生まれます。この子は天の御子さ
まのこどもですので、あなたにだ
まって生むわけにはいきせん」
木花之佐久夜比売は、邇邇芸命
そう伝えました。


       つづく