古事記神話「古事記物語」


  木花之佐久夜比売 9


すると・・・。
「木花之佐久夜比売よ。私は、あ
なたとは一晩しか一緒にすごして
いません。だから、お腹のこども
は、私のこどもではありません。
あなたが以前につきあっていた国
津神のこどもではありませんか」
邇邇芸命は、冷ややかにいいま
した。



「私は、今まで邇邇芸命さまとし
かおつきあいをしたことはありま
せん。だから、お腹のこどもは、
まちがいなくあなたのこどもです。
もし国津神のこどもであれば、こ
どもは無事に生まれないでしょう」
木花之佐久夜比売は、きっぱりい
いました。


        つづく