古事記神話「古事記物語」


   木花之佐久夜比売 10


邇邇芸命は、「誰のこどもかわか
らん」と、小声でつぶきました。
そんな邇邇芸命をみて、木花之佐
久夜比売は悲しく思いました。



木花之佐久夜比売は、出産をする
ため戸のない家に入り、出入口を
すべて土でぬってふさぎました。
そして、こどもが生まれる直前、
その家に火をつけたのです。
燃えさかる火の中で、木花之佐久
夜比売は、三人のこどもを生みま
した。


        つづく