古事記神話「古事記物語」


    海彦山彦 9


「そうか。そんなことで悩んでい
たのか。わしにいい考えがある」
「ほんとうですか」
塩椎神は、細かく編んだ竹の籠で、
舟を作ってくれました。



「さあ、この舟に乗りなさい。わし
が舟を押すから、しばらくそのまま
まっすぐに行きなさい。そうすれば、
よい潮の道がある。その道にそって
行けば、魚の鱗のように並んだ大き
な宮殿がある。それが、綿津見神
宮殿じゃ」


         つづく