古事記神話「古事記物語」


    豊玉比売 9


「婿のつり針をとった魚はいるか」
「鯛が喉に何かささって、物を食
べることができないとなげいてい
ます」
「その鯛は、ここにいるか」
「おりません」
「その鯛をつれてきなさい」 



 海の神が鯛の喉を調べると、大
きなつり針がささっていました。
すぐにつり針を取り出し、きれい
に洗い清めました。
「山彦よ。探していた針は、これ
かな」
「はい。その針です」


         つづく