2017-06-18 海彦山彦 童話 塩満珠と塩乾珠 1 「兄さん。ただいま」 「山彦、どこへ行っていたのだ」 「兄さんのつり針を探していました。 やっとつり針がみつかりました」 「ほんとうか」 「はい」 「兄さん。つり針を返すので、後 を向いてください」 「なぜ後を向くのだ」 海彦は、しぶしぶ後を向きました。 「このつり針は、ぼんやりの針・ 猛り狂う針・貧しい針・役立たず の針」 山彦は小声でつぶやきながら、 海彦につり針を渡しました。 つづく