海彦山彦


    海彦山彦 2


一方、山彦は山へ行き、猟をして
います。
きじ・鹿・いのしし・うさぎなどの、鳥
や獣をとることが上手でした。



ある日。
「兄さん。たまには山へ行って、
きじや鹿をとってみないかい」
「おれは、狩りはできない。い
やだ」
海彦は、ことわりました。



「兄さん。おれ、海へ行って、大
きな鯛をつってみたいんだ」
「馬鹿をいえ。つりをしたことが
ないおまえに、鯛などつれるも
のか」
「やってみなくてはわからない
だろ」


          つづく