海彦山彦


   海彦山彦 6


「そんなつり針ではだめだ。元の
つり針でなくては」
海彦は、つり針を受け取ってくれ
ません。



山彦は、また別の剣で千本のつり
針を作り、海彦に渡しました。
「兄さん。どうかこのつり針で許
してください」
「許さん。元のつり針でなくては
だめだ」
そういって、海彦はつり針を受け
取りませんでした。


        つづく