海彦山彦


   豊玉比売 2


「何だろう」
ふしぎに思った侍女が上をみると、
桂の木に青年がいました。
「水を一杯いただきたいのですが」
山彦は、侍女にお願いしました。
「どうぞ」
侍女は水をくみ、山彦にさしだし
ました。



山彦は水を飲まずに、首にかけて
いた玉飾りをほどくと、口に玉を
ふくみ瓶にはきいれました。
すると、玉が瓶の底にくっついて
しまいました。
侍女は、その玉をとろうとしまし
たがとれません。
しかたがないので、そのまま豊玉
比売に瓶を渡しました。


         つづく