竹取物語


阿倍の右大臣と火鼠の皮衣 5


「あと五十両払えば、貴重な皮衣
を手に入れることができる。それ
にしても、よく皮衣をみつけてく
れたな」といい、安倍は唐の方に
向かって手を合わせました。



皮衣が入っている箱を見ると、い
ろいろの瑠璃をとりまぜ、彩色し
て作ってありました。皮衣は、紺
青色でした。
毛の端は、ぴかぴか光っています。
比べる物がないほどの美しさでした。



かぐや姫が、皮衣を欲しがるの
も、無理はない。恐れ多いことだ」
といって、皮衣を箱の中へしまい
ました。


         つづく