竹取物語


帝のお召しに応じないかぐや姫 18


姫は、月が出ると、縁側に座り、
ためいきをついています。
月が出ていない時は、物思いにふ
けっている様子はありません。
姫は、月が出る時刻になると、時
々ためいきをつき、泣いています。



「まだ姫さまは、悩み事があるよ
うです」
仕えている人たちは心配しました。
でも姫が何を悩んでいるのか、誰
もわかりません。



八月十五日が近づいたある日の夜。
姫は縁側に座り、月をみながらは
げしく泣いています。
人目も気にしないで、はげしく泣
いていました。


          つづく