竹取物語


帝、かぐや姫の昇天を確かめる 8


二人に心配をかけてしまったこと
が悲しいです。月の都の人たちは、
すばらしい人ばかりで、老いるこ
とがありません。悩み事もありま
せん。そんないい所へ帰ろうとし
ているのに、私は少しもうれしく
ありません。



二人が老いていく姿を見守って
あげることができないので、後
髪をひかれるような気がします」
「姫、もう何もいうな」
おじいさんは、月の使者をうらみ、
腹をたてています。


          つづく