竹取物語


帝、かぐや姫の昇天を確かめる 9


こうしているうちに、宵もすぎ、
夜中の十二時になりました。
家のまわりが、昼間より明るく
光り輝きました。
満月の明るさを、十も合わせた
ような明るさで、人の顔の毛穴
さえみえるほどの明るさでした。



大空から、雲に乗り、おおぜい
の人が降りてきました。
そして、地面から五尺ほどあが
った所に並びました。



その様子をみた外にいる人も、
家の中にいる人も、物の怪に襲
われたような気持になって、戦
う気持がなくなってしまいました。


         つづく