竹取物語


帝、かぐや姫の昇天を確かめる 10


気持をふるいおこし、弓をひこう
とするけれど、手に力がはいりま
せん。
気丈な者が弓を射ようとするが、
矢がとんでもない方向へとんでい
ってしまいます。
どの人もぼんやりして、お互いに
顔をみあわせるばかりでした。



地上から五尺ほど上に立っている
人たちの衣装の素晴らしさ。
こんな美しい衣装は、今までみた
ことがありません。
かぐや姫が乗っていく車が、一台
用意してあり、薄絹をはった天蓋
がさしかけてありました。


        つづく