竹取物語


帝、かぐや姫の昇天を確かめる 13


屋根の上に、かぐや姫が乗る車を
寄せると、天人がいいました。
「さあ、かぐや姫。こんな穢れた
所に、なぜ長い間いるのですか。
出てきなさい」と。



姫を閉じこめてあった塗籠の戸も、
自然に開いてしまいました。
おばあさんは、抱いていたかぐや
姫が、籠の外へ出てしまったので、
泣いています。



かぐや姫は、泣き伏しているおじ
いさんのそばに寄り「心ならずも、
月へ帰らなくてはなりません。じ
い、私が月へ帰るのを見送ってく
ださい」といいました。


          つづく