竹取物語


帝、かぐや姫の昇天を確かめる 18


「このように、おおぜいの兵士を、
派遣していただきありがとうござ
いました。みんなで、月からの迎
えをとめていただきましたが、月
から迎えがきて、これから月に帰
ります。



くやしくそして悲しいです。帝のお
そばにお仕えできなかったのも、私
が月の国の人だったからです。命
令に従わない無礼なやつめと思わ
れているのが、ほんとうに残念です」



 今はとて天の羽衣着るをりぞ

 君をあはれと思ひいでける



かぐや姫は歌をつけ、帝への手紙
に、壺に入った不老の薬を添えま
した。


         つづく