火とぼし山


    次郎の見合い 9


きよは、「とてもおもしろい人」
「大きな農家の一人娘」「養子」
ということばが、気になりました。
貧乏なわが家と違い、その人の
家は裕福なんだろうなと、きよは
思いました。



「次郎さんは、これからもその人
とつきあうの」
「おらは、つきあう気はない。で
も、その人が、これからもつきあ
ってほしいというんだ」



次郎さんが、誰とつきあおうと勝
手だ。
でも、私とだけつきあってほしい。
きよは、心の中で強くさけびました。


        つづく