[童話]女神さまからのおくりもの
女神さまからのおくりもの 30
第三章 座禅草が咲いている高原で 3
「今日の清太さんは、別人みたい」
きよは、心の中でそっとつぶやきました。
「おじょうさまは、諏訪へ行ったことが
ある?」
「あるわ。とうちゃんと一緒に、御柱祭
をみに行ったことがある。御柱祭って、
勇ましいお祭ね」
「御柱祭は、七年に一度、申年と寅年に
行われる諏訪大社のお祭だよ。中でも、上
社の川越しと、下社の木落としは、すごい
ね。山から切り出された十数トンもある樅
の木が、木遣りの歌を合図に、ずずずぅー
と動く。そして、おおぜいの人の手で、長
い時間をかけて、四つの神社に運ばれる」
つづく