火とぼし山


   新しい出発 6


「手長、足長。明神じゃ。わし
の声が聞こえるか」
「はい、聞こえます。何かご用
でしょうか」
「きよが、湖でうずにまきこま
れた」
「えっ、きよが? 場所は、ど
こでしょうか」



「小坂観音沖の淵じゃ」
「わかりました。すぐ行きます」
「手長、足長。きよのこと、た
のんだぞ」
「はい、承知しました」
手長と足長は、いそいで小坂観
音沖の淵へ向かいました。


       つづく