火とぼし山


  新しい出発 29


「きよ。ここは、静岡じゃ」
「静岡?」
「そう、静岡じゃ。きよは、これ
からここで暮らすのじゃ。この
おばあさんと一緒にな」
足長がいいました。



「おばあさんと」
「そうじゃ。このおばあさんと
一緒に暮らすのじゃ。この人
は、明神さまの友だちじゃ」
「きよ、よろしく」
おばあさんが、にこにこしな
がらいいました。


       つづく