牛に乗ったお玉さま

[童話]牛に乗ったお玉さま


牛に乗ったお玉さま 5


「明日、見合いだというのに、お玉がまだ帰
ってこない。どうしたのだろう」
両親は、心配しました。


夜遅く、黒だけが帰ってきました。
長者の家は、大さわぎになりました。
みんなで手わけをして探したけれど、お玉は
どこにもいません。
村人の話では、黒い牛が底なし池のほとりで、
「もぉーもぉー」と悲しそうにないていたと
のこと。


翌朝。
底なし池のほとりで、はきものが二足、そろ
えておいてあるのがみつかりました。
お玉の赤い緒のぞうりと、坊さんの白い緒の
下駄でした。


        つづく