2019-08-20 牛に乗ったお玉さま 童話 [童話]牛に乗ったお玉さま 牛に乗ったお玉さま 1 昔、むかし。 小野から木曽へ通じる牛首峠のふもとに、「山 口の長者」とよばれる大きな屋敷がありました。 長者には、お玉という一人娘がいます。 谷間に咲いている白百合のような、清らかな可 憐な娘でした。 長者の家では、大きな黒牛を飼っています。 おとなしい牛で、お玉によくなついていました。 お玉も、「黒や、黒や」といって、かわいがっ ています。 天気のよい日には、黒の背に乗り、野山へ遊び に行きました。 つづく