富士山の好きな少女

[童話]富士山の好きな少女


富士山の好きな少女 4


昨日はからっと晴れていたのに、今にも雨が
降りそうな天気でした。
二人がたぬき湖へついた時、富士山は厚い黒
い雲におおわれ影も形もみえませんでした。
「どうかいい天気になりますように。太陽が
顔をだしますように」
「このはなさくや姫さま、富士山をみせてく
ださい」
二人は、一心に祈りました。


どの位の時間がすぎたのでしょうか。
富士山にかかっていた厚い黒い雲が、何か
にひっぱられるように、「すぅーっ」と二人
の目の前から消えていきました。


        つづく