黄金色のまゆ玉

[童話]黄金色のまゆ玉


黄金色のまゆ玉 23


「明神よ、いつまで奥さんとはなれてくらすつ
もりじゃ。一日も早く奥さんと仲なおりしたまえ」
どこからか声が聞こえてきました。
「そうじゃのぅ。一日も早く妻に戻ってきても
らわなくてはのぅ」
明神さまは、心の中でそっとつぶやくのでした。


あれから、何千年もの月日が流れました。
明神さまは、今も湖の向こう側に住んでいる奥
さんのところへ通っています。


冬になると、明神さまは湖の氷の上を通り、奥
さんのところへ行きます。
諏訪の人々は、明神さまのかよう道を、「おみわ
たり」とよぶようになりました。


          おわり