2019-03-01から1ヶ月間の記事一覧

火とぼし山

[童話]火とぼし山 火とぼし山 12 第二章 再会 1 七日が過ぎました。 今日は、次郎と会う日。 早めに仕事を終えたきよは、西山に太陽 が沈む頃、次郎が住む西の村に向かって 出発しました。 「とうちゃん、かあちゃん。行ってきます」 「きよ、気をつけて…

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[童話]火とぼし山 火とぼし山 11 第一章 次郎、西の村へ 9 年頃になった二人は、いつしか強く心を ひかれるようになっていたのです。 三日後。 次郎は、西の村へ引っ越していきました。 「次郎さん。約束を忘れないでね。七日 後、会えるのを楽しみにして…

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[童話]火とぼし山 火とぼし山 10 第一章 次郎、西の村へ 8 きよと次郎は、幼なじみ。 小さな時から、仲良しでした。 「きよちゃんと次郎ちゃんは、ほんとに 仲がいいね。兄と妹みたい」といわれて 大きくなりました。 二人は、花が大好き。 休みになると…

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[童話]火とぼし山 火とぼし山 9 第一章 次郎、西の村へ 7 「大丈夫。次郎さん」 きよは、きっぱりいいました。 「大好きな次郎さんのためなら、私どんな ことでもする」 きよは、心の中でそっとつぶやきました。 「次郎さん。お願いがあるの。私と会う日 …

火とぼし山

[童話]火とぼし山 火とぼし山 8 第一章 次郎、西の村へ 6 「次郎さん。引越しをしても、私と会って くれる?」 「もちろん。時々会おうね」 「どうやって会うの」 「おらは、あまり休みがない。だから、夜 しか会えない」 「じゃあ、私が会いに行くわ」 「…

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[童話]火とぼし山 火とぼし山 7 第一章 次郎、西の村へ 5 「急な話ね。なぜもっと早くいってくれなか ったの」 「ごめん。昨夜、決まったんだ」 「どこへ引っ越すの」 「諏訪湖の西にある村。さっき、白鷺が飛ん でいった方向にある村だよ」 西の山を指さ…