火とぼし山


[童話]火とぼし山


火とぼし山 8


第一章 次郎、西の村へ 6


「次郎さん。引越しをしても、私と会って
くれる?」
「もちろん。時々会おうね」
「どうやって会うの」
「おらは、あまり休みがない。だから、夜
しか会えない」


「じゃあ、私が会いに行くわ」
「えっ、きよちゃんが」
「次郎さんは、休みがないんでしょ。だっ
たら、私が会いにいく」
「でも・・・きよちゃんは、女の子。暗い
道を何時間も歩かなくてはならないのだよ。
きよちゃん、夜道を一人で歩けるの」
次郎が心配して聞きました。


        つづく