女神さまとの約束


昨日につづき、「女神さまとの約束」を紹介
します。
初めてのかたは、「女神さまとの約束1−6」
を読んでくださいね。



    ・ 女神さまとの約束1


http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20060405



    ・ その2

http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20060406



    ・ その3

http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20060407



     ・ その4

http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20060408



    ・ その5

http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20060409




       ・ その6

http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20060410




    女神さまとの約束7


秋になり、硫黄岳の木々も、美しく紅葉し
はじめました。
そんなある日。
「白駒、おねがい。私を家につれていって」
「ふくさん、女神さまとの約束を忘れたの
ですか。約束をやぶると、大変なことにな
りますよ」
「大変なことって?」




「女神さまとの約束をやぶると、ふくさん
の命はありません。私は、女神さまとの約
束をやぶった何人もの人をみています。
だから、ふくさんには、女神さまとの約束
をさいごまでちゃんと守ってほしいのです」
「私は、女神さまのいいつけを守り、険し
いこの岩場に残り、何百人もの人をすくい
ました。




とうちゃんに会いたくても、私はじっとが
まんしました。ねぇ、白駒。三日位家に帰っ
ても大丈夫でしょ。すぐここにもどるから
・・・。おねがい。私を家につれていって。
どうしてもとうちゃんに会いたいの」
ふくは、ひっしで白駒にお願いしました。
白駒はこまってしまいました。




「三日くらいだったら、大丈夫だろう」
 そう思った白駒は、しぶしぶふくを家
に送っていきました。
「ふくさん、三日間だけですよ。三日たっ
たら、迎えにきますからね」
そういって、白駒は帰って行きました。




「とうちゃん、ただいま。帰ってきたよ」
「ふく。女神さまとの約束は、どうしたの
かね。約束を守らないと、大変なことにな
るというではないか。だいじょうぶかい」
「とうちゃん。三日したら、また硫黄岳へ
もどるから、大丈夫だよ」
「そうか、じゃあ、ゆっくり休んでおいき」
長者は、ふくに会えてうれしそうでした。




何事もなく、二日間が過ぎました。
三日目の朝のことです。
「とんとん、とんとん」
戸をたたく音がしました。
でてみると、白駒でした。
白駒は、かなしそうな顔をして立っていま
した。


       つづく