笛の音よ、永久にひびけ

  童話「笛の音よ、永久にひびけ」より

    一部分を紹介します。


「今年は、はっぱをつけることができないかも
しれんのぅ。いつ切りたおされるのだろうか」
楓は、不安な気持で毎日を過ごしました。



「楓のおじさん、この森の木が、みんな切られ
てしまうって、本当?」
リスとかもしかがやってきて、聞きました。
「本当だよ。わしも切られてしまうことになった」
「えっ、楓のおじさんも?」
「ああ・・・わしもじゃ」
「森の木がなくなると、さみしくなってしまうね。
わたしたちは、これからどこで暮らしたらよいの
かしら」
「さあ・・・どこで暮らしたら良いかのぅ。
わしも、森の仲間たちのことが心配じゃ」
楓が、さみしそうにいいました。



二ヶ月が過ぎました。
楓は、最後のはっぱを、たくさんつけることがで
きました。
「最後のはっぱを、つけることができたぞー」
楓は、大声でさけびました。
そして、大きな体を、ゆっさゆっさとゆらしました。 
「さわ、さわー」
「さわ、さわーー」
たくさんの楓の葉のゆれる音が、丘にひびきわたり
ました。
  


童話「笛の音よ、永久にひびけ」は、長野
冬季オリンピックの会場を作るためにきり
たおされた、樹齢200年の楓のお話。



童話「笛の音よ、永久にひびけ」は、今年
http://www.choeisha.com/
から発行されるみほようこの童話集・「風
の神様からのおくりもの4」に収録されま
す。

  

  本の題名は、「ライオンめざめる」。



  「風の神様からのおくりもの4」に
   収録される童話は、三つ。


    ・  ライオンめざめる

    ・  笛の音よ、永久にひびけ

    ・  かきつばたになった少女



今、本を製作中。
挿絵は、長野ひろかず先生。
カラー三枚、白黒六枚の、すてきな挿絵が
できあがりました。
先日、著者にとっては、最後の校正である
「念校」もすみました。
秋までには、本ができると思います。




   童話「笛の音よ、永久にひびけ」




  笛の音よ、永久にひびけ1

http://d.hatena.ne.jp/youko510/20060503#p1



  その2

http://d.hatena.ne.jp/youko510/20060504



  その3

http://d.hatena.ne.jp/youko510/20060505



  その4

http://d.hatena.ne.jp/youko510/20060506



つづきは、本ができた時、公立図書館などで
読んでいただきたいと思います。



 今までに発行されたみほようこの本
 「風の神様からのおくりもの」シリーズ1−3



     風の神様からのおくりもの―諏訪の童話




     竜神になった三郎 風の神様からのおくりもの (2)




     ふしぎな鈴 風の神様からのおくりもの (3)