風の神様からのおくりもの


童話集「風の神様からのおくりもの」は、みほ
ようこの初めての童話集。
「風の神様からのおくりものシリーズ」1
2001年8月、
http://www.choeisha.com/
から、発行されました。






心を病む兄のために、明神様にお参りする心優しい
少女の話など4編。


   ・ 明神さまの姿をみた少女

   ・ 風の神様からのおくりもの

   ・ 雪んこの舞

   ・ 守屋山に黄金色の花が咲いた


   
信州諏訪を舞台に、美しい挿絵を添えて描かれる心
温まる創作童話。




   「柵作太郎さんのレビュー」


この童話は信州諏訪を舞台にした風の神様(明神様)
と兄想いの優しい少女の物語です。
物語に出てくる松虫草クジャクチョウ。
薄紫色の花咲く高原に孔雀色の斑点をつけたクジャ
クチョウが舞う姿は信州霧が峰高原の情景が自然と
浮かんできます。
何千、何万匹と群生するクジャクチョウ、夢の中で
もいいからそんな幻想的な光景に巡り合いたいと思
いました。



また雪んこの舞の話を読んで、 普段何気なくみてい
る雪が おそろいの白い服、白い帽子、 白い靴を来た
雪んこたちの舞に見え、 何だかいとしい大切なもの
に見えます。
「るみ、よくがんばったね。るみの舞が一番すてきだ
よ」
目の見えない雪んこのるみに お母さんがかける優しい
声が印象に残りました。



身のまわりのほんの小さなことや自然から こんなに
優しい物語を作れる作者に感動です。
最後に守屋山にある幻の黄金色の花が福寿草 だった
という話を聞いて、春に咲く福寿草が 待ち遠しくな
りました。 大人が読んでも楽しめる童話だと思います。




風の神様からのおくりもの―諏訪の童話

風の神様からのおくりもの―諏訪の童話