童話「女神さまとの約束」


   童話「女神さまとの約束」6


白駒とふくは、天狗岳からさがすことにしました。
でも、いくらさがしても、黄金色の花はみつかり
ません。
次は、根石岳をくまなくさがしました。でも、黄
金色の花はみつかりませんでした。



硫黄岳
横岳
赤岳
権現岳
西岳・・・と、白駒とふくは、あっちの山、こっ
ちの山と、八ヶ岳の山々をくまなく走り、黄金色
の花をさがしました。けわしい道をのぼったりお
りたり。でも、黄金色の花はみつかりません。



黄金色の花といっても、どんな形をしているのか、
どのくらいの大きさなのか、くわしいことは何も
わかりません。
わかっていることは、ただひとつ。その花が、黄
金色をしているということだけ。



「白駒、八ヶ岳で黄金色の花をみたことがある?」 
「いいえ。私は、いつも女神さまと一緒ですが、黄
金色の花はみたことがありません。昨夜おそく、女
神さまからふくさんと一緒に黄金色の花をさがすよ
うにといわれ、初めてその花が八ヶ岳に咲いている
ことを知りました」
白駒は、そういいました。



ふくと白駒は、朝からずっと走り回っているで、く
たくたに疲れてしまいました。
「白駒、疲れたでしょ。少し休みましょうか」
「けわしい山道だから、疲れますね。少し休みまし
ょう」
白駒とふくは、三十分位休みました。
はるか遠くに諏訪盆地がみえます。


つづく