童話「女神さまとの約束」


  童話「女神さまとの約束」7


諏訪湖もみえました。諏訪湖をみていると、遠く
にきたのだなと、ふくは思いました。
「とうちゃんは、大丈夫かしら?」
「女神さまが守ってくださっているから、おとう
さんのことは心配しなくても大丈夫ですよ。それ
より、ふくさん。これからどうしますか」
「もう少し、黄金色の花をさがしてみます。白駒、
おねがいします」
ふくは、あらためて白駒にお願いしました。




白駒とふくは、再び黄金色の花をさがしてあるき
ました。今度は、馬からおりて、岩の裏までさが
しました。それでも、花はみつかりません。
あきらめて帰ろうとした時、硫黄岳のけわしい岩
場の方から、かいだことのないにおいがしてきま
した。ふくは、そのにおいのする方へ歩いて行き
ました。




大きな岩と岩の間に、さがしていた黄金色の花が
咲いていました。十センチくらいの美しい花でし
た。その花は、太陽にあたり、ぴかっぴかっと光
っています。
「あっ、黄金色の花!!」
ふくは、大声でさけびました。




黄金色の花は、岩と岩との間にできた水たまりの
中に咲いています。
「これが、黄金色の花なのね。なんてきれいな花
かしら」
ふくは、その花にそっとさわりました。
すると・・・。
どこからか、やさしい声が聞こえてきました。



つづく