童話「女神さまとの約束」


   童話「女神さまとの約束」8


「ふく、やっと黄金色の花をみつけたのね。この
花は、私からのおくりものです。おとうさんをこ
の場所へつれてきて、黄金色の花びらで、おとう
さんの体をやさしくさすってあげなさい。そうす
れば、おとうさんはじきに元気になるでしょう。



おとうさんが元気になっても、あなたはここにと
どまって、病気で苦しんでいる人をすくってくだ
さいね。けっしてこの場所をはなれてはいけませ
んよ。おとうさんのことは、私が守ります。わか
りましたか。ふく。私との約束を、ちゃんと守る
のですよ」
女神さまの声でした。



「はい、わかりました」
ふくは、そう答えました。
白駒も、うれしそうに「ひひーん」とないています。
水たまりの中に手をいれてみると、なんとあたたか
な湯でした。黄金色の花は、湯の花だったのです。
ふくと白駒は、あたたかな湯に手と足をひたしました。
そして、黄金色の花びらを一枚とり、手と足をさすっ
てみました。



すると、ふしぎなことに、疲れがいっぺんにとれま
した。白駒の体を、花びらでやさしくさすってあげ
ると、白駒もたちまち元気になりました。
「さあ、白駒。早く家にもどって、とうちゃんをこ
こへつれてきてください。おねがいします」
ふくは、白駒にお願いしました。



白駒は、ふくの家へもどりました。
白駒は、長者をつれて、あっという間にもどってき
ました。
「おお、これが黄金色の花か。美しい花だね」
長者は、黄金色の花をみて驚きました。


つづく