ライオンめざめる


「ライオンめざめる」は、みほようこの四冊目の
童話集・「ライオンめざめる」に収録されていま
す。


童話集「ライオンめざめる」は、今年十月、「鳥
影社」から発行されました。


    一部分を紹介します。


「神さま、ライオンはなぜ小さくされてしまったの
ですか」
かなは、神様にたずねました。
「このライオンはのぅ、二千年位前、西の国の王妃
がかわいがっていたライオンじゃ。ある日、ライオ
ンは魔法をかけられ、小さくされてしまったのじゃ」



「じゃあ、ライオンはなぜいたいよぉってないてい
たのですか」
「それはのぅ、まほうをかけられた時、まほうつか
いの杖で、何度も強くなぐられたのじゃ。だから、
体中が痛いのじゃろ」
すると、ライオンが話し始めました。
「王妃はかなしがって、小さくなった私を、金のロ
ケットにしたのです。そして、王妃はなくなるまで
私を大切にしてくれました」
ライオンは、やさしかった王妃をなつかしむように
いいました。


「ライオンめざめる」より



ライオンめざめる―風の神様からのおくりもの〈4〉 (風の神様からのおくりもの (4))

ライオンめざめる―風の神様からのおくりもの〈4〉 (風の神様からのおくりもの (4))