女神さまとの約束


    女神さまとの約束3


「すぐきがえをもってきます。待っていて
くださいね」
ふくは、母の部屋へきがえをとりに行きま
した。
「この着物は、なくなったかあちゃんの着
物です。さあ早く、この着物にきがえてく
ださい」
ふくは、女の人に着物をわたしました。



「そんな大切な着物を・・・私にかしてく
ださるのですか。ありがとうございます」
女の人は、土間のすみで、きがえをしました。
きがえをすませ、いろりのそばにすわった
女の人をみて、ふくはびっくりしました。
女神さまのような美しい人だったからです。
女の人は、やさしい笑みをうかべていまし
た。



「なんて美しい人だろう。なくなったかあ
ちゃんが、あちらの国から帰ってきたみたい」
ふくは、心の中でそっとつぶやきました。
ふくは、あたたかな食事と風呂を、用意し
ました。
女の人はぐっすり休み、次の朝にはすっか
り元気になりました。


  つづく