[童話]ふしぎな鈴「お月さまの耳かざり」


 ふしぎな鈴「お月さまの耳かざり」4


かなとりゅうは、いそいで家に帰りました。
かあちゃんかあちゃん。たいへん、た
いへん」
かなはねているおかあさんの枕元へ、とん
で行きました。



「かな、すてきな耳かざりね。どなたにい
ただいたの?」
おかあさんはかなに聞きました。
かなは、散歩の途中で、お月さまから星の
耳かざりをもらったことを話しました。



おかあさんは乳にがんができて、この間手
術をしたばかりでした。
おかあさんは乳を切ってしまったので、手
が上にあがりません。



ふっくらしていたおかあさんの顔が、日ご
とにやせていくのをみて、かなは心配でた
まりませんでした。
「そうだ、この星の耳かざりをかあちゃん
にあげよう。そうすれば、かあちゃんはき
っとよくなるだろう」
かなはそう思いました。
そして、おかあさんの耳に、星の耳かざり
をつけてあげました。


           つづく



ふしぎな鈴」は、みほようこの三冊目の本。


リーン・リーン・リーン…。
500年の時をへて、心やさしい小桜姫と
現代の少女を結ぶ、美しい鈴の音が聞こえる。
信州諏訪の「風の神様」が、そっと教えて
くれたお話。



「ふしぎな鈴」は、2005年9月、
「鳥影社」から発行されました。
挿絵は、長野ひろかず先生。











「校長先生と桜の鈴」の章の挿絵 (裏表紙)





http://www.bk1.jp/product/02593627