竜の姿をみた少女


   竜の姿をみた少女2


「とうちゃん。今、何か声が聞こえな
かった?」
「いやー、何も。何か聞こえたかい」
「おっかあ、おっかあーという声が、
聞こえたの」 



「そうか。とうちゃんも、しらかば湖
でつりをしていた時、『おっかあ、お
っかあー。どこにいるー』という声を
聞いたことがある」
「だれの声なの?」
「妻をさがして歩く三郎の声だといわ
れている」



「三郎って、だれ?」
「大昔、たてしな山のふもとに住んで
いたという三郎だよ。
三郎はね、なぜか竜になってしまった
のだよ」
「竜に? とうちゃん。しらかば湖に、
竜がいるって、ほんとう?」



「さあなぁ。村には、竜がいるという
いいつたえがあるが、竜の姿をみた人
はだれもいないからね。
でも、しらかば湖には、竜がいるかも
しれないよ」
おとうさんは、夢みるようにいいました。


            つづく



童話「竜の姿をみた少女」は、童話
竜神になった三郎」の続編。



童話「竜神になった三郎」は、
みほようこの二冊目の童話集「竜神
なった三郎」に収録されています。



    童話「竜神になった三郎」


http://www.geocities.jp/dowakan/saburou1.html




    童話集「竜神になった三郎」


http://www.geocities.jp/dowakan/douwasyuu2.html



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