母の短歌56


整然と列なす茶畑に並みたてる

   霜除けの扇風機秋風に廻る見ゆ



剪定も消毒も怠りし柿なれど

   たははになりて色付きてきぬ



心字の池に向ふきざはしに散りしける

   落葉踏む音心に沁みぬ



アメリカシロヒトリに食まれしくるみの二度萌えの

   緑の中に花房ゆれをり