母の短歌131


在りし日に母剥きくれし真綿入れ

   娘の半纏を今宵仕上げぬ



紙のごとく軽き宇宙食のストロベリー

   含めば清らかに香り広がる



山峡の谷間を白く包みゐし

   霧ののぼりくるわが立つ岡に



雲間より差しくる朝日に煌きつつ

   舞いくる雪は地につかず消ゆ