笛の音よ、永久にひびけ


  笛の音よ、永久にひびけ14


「一日も早く、すてきな音色のす
る笛ができると良いね」
「楓の笛って、どんな音色がする
のだろう」
こどもたちも、笛ができあがるの
を楽しみにしています。



村の人たちも、若者に協力して、
笛を作ることになりました。
若者と村の人たちは、何カ月もか
けて、笛を作りました。
しかし、何本笛を作っても、なぜ
かもの悲しいさみしい音しかでま
せんでした。



「楓の木では、良い音がでないの
だろうか。いや、そんなはずはない。
心ならずも切りたおされた楓のた
めにも、すばらしい音色のする笛
を作りたい」
若者は、心に強く思いました。


           つづく



   昨日の分は、こちら


http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20091218#p1



   初めて読んでくださったかたへ


   笛の音よ、永久にひびけ1


http://d.hatena.ne.jp/dowakan/20091203#p1




「笛の音よ、永久にひびけ」は、
スキー大会の会場をつくるために
きりたおされた、信州の志賀高原
の樹令200年の楓のお話。



童話「笛の音よ、永久にひびけ」
は、みほようこの四冊目の童話集・
「ライオンめざめる」に収録され
ています。