開善寺の早梅の精


   開善寺の早梅の精1


信州の伊那谷に、梅・ぼたん・藤
など、美しい花が咲く禅寺があり
ました。
寺の名は、開善寺。
室町初期に建立された山門や、鎌
倉式のみごとな庭園もあります。



開善寺は、建武二年(1335年)、
信濃の守護・小笠原貞宗が、京都
建仁寺から大鑑禅師を招き開山
しました。



寺の書院「月香寮」の庭先には、
冬至のころ花が咲く早梅の木があ
りました。
貞宗は、その梅を、時の帝・後醍
天皇に贈りました。
天皇はたいそう喜び、その梅に
信濃梅」と名づけました。


           つづく



「開善寺の早梅の精」は、信州の
伊那谷にある「開善寺」に伝わっ
ている話をヒントにして書いたもの。