女神さまとの約束


「女神さまとの約束」は、みほようこ
の五冊目の童話集「竜の姿をみた少女」
に収録されています。



童話集「竜の姿をみた少女」は、今年
12月12日に「鳥影社」から発行さ
れました。
ビーケーワン・アマゾン・楽天紀伊
国屋書店・ジュンク堂などで発売中。



童話集「竜の姿をみた少女」は、
信州の「しらかば湖」と「白駒の
池」を訪ねた時に、諏訪の「風の
神様」から聞いた話。





http://www.bk1.jp/product/03220629



竜の姿をみた少女 (風の神様からのおくりもの)

竜の姿をみた少女 (風の神様からのおくりもの)



 「女神さまとの約束」より


その時、どこからか声がきこえてき
ました。
「ふく。なぜ、私との約束をやぶっ
たのですか。
私は、あなたが、最後まで約束を守
ってくれると信じていました。



私のてつだいをしてもらおうと、あ
なたを黄金色の花が咲いている場所
へつれてきたのです。
それなのに、あなたは・・・。
とても残念です。約束を守るという
ことは、むずかしいことですね。



でも、どんなことがあっても、約束
はちゃんと守らなくていけません。
とくに、神様との約束は・・・ね。
一つでも赤い木の実を食べたものは、
もう自分の家に帰ることはできない
のです」
女神さまの声でした。



女神さまの声を聞いた白駒は、「ひ
ひーん、ひひーん」と、かなしそう
になきました。
そして、ふくを乗せたまま、湖に入
っていきました。
湖に大きな波がたち、ふくと白駒は、
深い湖の底に沈んでいったのです。